「あとがき」より抜粋
この四十年のうちの前半は、人々が生き生きと目を輝かせて希望を持って生きてきた気がします。残りの二十年は高度経済成長の終わりと、バブルの始まりという、今の中国とよく似ていて、努力して成功する者もいる半面、特別な能力を持っていなくても、たいした努力をしない者までも、真の儲けとは言えない金ですが、手元を洪水のように流れて行ったことは確かです。
特に最後の十年はバブル崩壊後、初のデフレ現象や相次ぐリストラの中で、大半の国民が苦しい闘いをしてきた歳月でありました。
グローバル経済の中、日本はますます厳しい経済状況に直面していくことは間違いありません。
高齢者は、自分たちは年金でも貰って静かに暮らしていければいいので、経済の浮き沈みには関係ないなどと、のん気なことを考えてはなりません。厳しい就職戦線の中で毎日を頑張っている若者に未来を託しているのです。いつも現役という気持ちを失わず、共に智恵を絞って努力していきたいものです。
もちろん政府にはしっかりと国民を守り育てる舵取りを切望しますが、一方でひとりひとりが自分と自分の愛する者は、自己の力で守るという強い精神とパワーを持つべきでしょう。
私と同時代を生きた人達は、愛や勇気というものが、社会の隅々まで行き届いていた時代に青春をすごし、男らしさ、女らしさという不変の思いを大切にする仲間と、出会うことができたはずです。
この本に出てくる先輩・知人・友人・女性達はもちろんのこと、本当にいい時代に、良い仲間と会えたことを心から感謝しております。
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