中小企業の経営者、業務担当者のためのパソコン活用による業務改善マニュアル



パソコンのサポートをしている山本です。
パソコン指導、業務ソフトの導入指導、データベース構築などの経験から得た、中小企業におけるパソコン活用、業務効率アップのヒントをお届けします。





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 業務ソフトの選択
  仕事に合ったソフト選択
  財務会計
  給与計算
  販売管理
  仕入・在庫管理
  顧客管理
  社内情報管理
  業種別ソフト

 
汎用ソフトの活用
  文書作成
  表計算
  データベース
  プレゼンテーション
  ラベル作成

 業務ソフトの導入
  財務会計
  給与計算
  販売管理
  仕入・在庫管理

 導入サポート事例
  Excelで売上管理
  Accessで顧客管理
  販売・仕入ソフト導入
  Accessでシステム構築
  パソコンサポート全般

 
パソコンで業務改善
  PCスキルアップ
  ソフトの選択
  自社システムの構築
  ガイドラインの作成
  業務改善のポイント


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■仕事に合ったソフト選択

パソコンを業務で活用する上で、ソフトの選択は重要なポイントになります。仕事に合ったソフトを使って業務の効率化を図りましょう!
ここで、ソフトの種類を挙げます。

 ●業務ソフト
   1.財務会計
   2.給与計算
   3.販売管理
   4.仕入・在庫管理
   5.顧客管理
   6.社内情報管理(グループウェア)
   7.業種別ソフト

 ●汎用ソフト
   1.ワープロ
   2.表計算
   3.データベース
   4.プレゼンテーション
   5.ラベル作成

どのソフトを使ったら良いかは、その業種や業態により異なりますが、会計や給与のように定型化された業務には市販の業務ソフトを使うことをお勧めします。

また、業務が特殊で市販のソフトでは管理できない場合や部分的な仕事については、汎用ソフトを使うことをお勧めします。

それを判断するために、市販の業務ソフトでどんなことが出来るのかをご紹介します。


■財務会計

財務会計処理は最も定型化されており、コンピュータ化しやすい業務と言えるでしょう。 手作業で処理するとこんな流れになります。

  

   1.仕訳伝票を起票
   2.元帳に転記
   3.合計試算表を作成
   4.貸借対照表/損益計算書を作成
   5.決算書作成
        ・・・ まさに記帳、転記、計算の繰り返しです ・・・

ところが、財務会計ソフトを使うと手作業はこれだけになります。
  1.仕訳伝票を起票
  2.パソコンに伝票入力

入金・出金・振替伝票さえ入力すれば、「元帳」「合計残高試算表」「貸借対照表/損益計算書」「決算書」は、すべて自動で作成されるのです。

財務会計ソフトを導入するメリットは、作業がラクになるという事だけでなく、日々少しずつ入力しておけば、財務状況がリアルタイムで把握できるということも挙げられます。

会計ソフトは業種によりいくつか種類があります。流通業・製造業の場合は一般の財務会計ソフトを使うことができます。会計基準の違う「公益法人会計」や「建設業会計」などはその業種専用の会計ソフトをお勧めします。

ここで、会計ソフトなど様々な業務ソフトを販売しているメーカーをご紹介します。ソフトを選択する時の参考にしてください。

 ●オービックビジネスコンサルタント → 
 ●ピーシーエー株式会社 → 
 ●弥生株式会社 → 
 ●ソリマチ株式会社 →

どのソフトも使い易く、会計処理に必要な財務帳票はすべて揃っています。
会計処理は、エクセルを使って部分的に処理するより業務ソフトを使って統合処理することをお勧めします。


■給与計算

給与計算ソフトを使うとどんなことが出来るか見てみましょう。

社員の個人情報・給与情報を最初に登録しておくと、毎月の欠勤・残業時間などの勤怠状況を入力するだけで、所得税や社会保険、残業・諸手当を自動計算し、これだけの資料を作成します。

  

 ●給与・賞与計算

   1.社員に渡す「給与明細書」や「賞与明細書」
   2.銀行振込み資料(振込依頼書の印刷や銀行持込データ作成)
   3.住民税納付資料(市町村別納付書)
   4.各種集計資料

 ●年末調整
給与計算といえば、面倒なのが年末調整ではないでしょうか。
年末調整は、扶養家族の情報やその他控除に関する情報を入力すれば自動計算し、源泉徴収徴簿や源泉徴収票まで作成できます。必要に応じ、最終給与で年末調整の清算もできるという仕組みになっています。
 ●社会保険関連
4月〜6月支給の給与を基に計算する基礎算定、月額変更にも対応しており、届出用資料まで作成してくれます。従業員の中には月給制の正社員や、日給・時給制のパートやアルバイトが混在していても、個人情報で詳細設定できるのできめ細かい管理ができるのも有難い点です。
給与計算システムを導入する場合、年末調整時に税額変更があることを考慮し、税額変更のプログラム入替に対応してもらえるよう、有料でもサポート契約しておくことをお勧めします。


■販売管理

販売管理ソフトを使うと、販売(売上)に関わる一連の処理を連動させコンピュータ化することができます。どんな処理があるか見てみましょう。

  

  1.見積書作成
  2.受注処理(受注残の管理)
  3.売上処理(納品書作成)
  4.得意先台帳管理
  5.請求処理(月締請求書の発行)
  6.入金処理(売掛金回収)
  7.売掛金の消し込み
  8.売上管理資料作成

基本的には、販売管理ソフトは「3.売上処理」で売上伝票を入力するところから販売管理のデータとなり管理されます。

したがって「1.見積書作成」と「2.受注処理」は必要に応じ利用することができますが「3.売上処理」から始めても構いません。
また、現金売が主流で売掛金の管理をしない場合には、「5.請求処理」を省略しても構いません。

このように、市販の販売管理ソフトは様々な業種や業態にも対応できるよう、汎用的に作られているので、自社の状況に合わせて運用することができます。

販売管理は企業の基幹業務となります。売上〜請求〜売掛金回収と一連の処理が連動し、正統な処理ができるように出来ています。売上伝票と入金伝票を入力するだけで、全ての処理・資料作成ができるという便利さです。

基幹業務をコンピュータ化する時は、業務を見直し改善するよい機会と考え、取り組むことをお勧めします。例外処理を改善したり、不要な処理は切り捨てるなど、今まで行っていた処理に囚われない柔軟さが必要なのです。

例えば、こんな事例がありました。
月締め請求書を発行後に、締めてしまった期間の売上伝票を入力すると、次月請求に回る仕組みになっています。私は、その仕組みは至って正統な処理だと思うのですが、それが困ると言うのです。
今までは、手書きで処理していたので気軽に再発行していたかもしれませんが、決して正統な処理ではないと思うのです。

コンピュータ化する場合には、手書きと違って融通が利かない(?)と思われる部分もあるかもしれませんが、コンピュータとはそういうものだということを理解することが重要です。コンピュータは、人間の間違いをカバーするものではなく、正しく入力したものを正しく処理するものだと考えるべきなのです。逆にシステムに合わせて業務を標準化するぐらいの気持ちが必要ではないでしょうか。

とにかく、手書きで処理していたことを思えば何倍も楽で正確な処理ができることは確かなのです。


■仕入・在庫管理

仕入・在庫管理ソフトは、販売管理ソフトと併用して使われる場合が多いですが、小売店など売上は現金売りで、売掛金が発生しない場合などは、仕入・在庫管理のみで使用することもあります。

販売管理が売上・請求など得意先との取引を管理するのに対し、仕入・在庫管理は、仕入・支払など仕入先との取引を管理するものです。
併用する場合、商品のデータは共有することがでます。

在庫管理ソフトは商品の入出庫を管理します。仕入で在庫がプラスになり、売上でマイナスになるため仕入管理とセットになっている場合が多いのです。

売上・仕入管理を併用する場合は、設定さえすれば自然に在庫管理できますが、仕入管理のみで使用する場合には、仕入で在庫はプラスになりますが売上がないので別に出庫データを入力することになります。

では、仕入管理でどんなことができるかを販売管理と併せて見てみましょう。

  

  1.発注書作成
  2.仕入管理
  3.仕入先台帳管理
  4.支払い処理(月締支払一覧作成、振込依頼書作成)
  5.仕入管理資料作成

なお、ソフトにより仕入・在庫管理ソフトで簡単な生産管理ができる場合があります。 AとBとC商品を使ってZという製品を生産する場合、A、B、C、Zでそれぞれ在庫管理することができます。Z製品の生産処理をすると、A、B、Cの在庫から生産に使った数だけ引き落とし、Z製品の在庫を生産した数だけ増やすことになります。従ってある程度、製造部門がある企業でも在庫管理として使うことができるのです。

ソフトにより多少できることが違うので、自社の管理に使えるかどうかソフトのメーカーに問合せしておくと良いでしょう。

また、パソコンショップではデモを見たり営業に相談することもできるので、 事前の調査をしっかりしておくと導入に際し、安心できることと思います。


■顧客管理

顧客管理のように多くの情報、大量のデータを扱う業務はコンピュータ化するのに最も適しているといえるでしょう。

顧客の住所管理はもとより顧客とのやり取りをデータベース化しておくと、様々な面で活用することができます。どんな活用ができるか挙げてみましょう。

●顧客情報
顧客や会員などの管理をする場合、住所情報を入力しておくと年賀状や書類 送付用の宛名ラベルの印刷ができます。
また、多くのデータから条件に合ったものをピックアップしたり、複数の条件で 検索する場合、人間の目で探したら大変な作業になりますがコンピュータを利用 すれば、高速で正確な結果を得ることができます。

●購入履歴
これは、顧客管理というよりは、売上管理になるかもしれません。
購入履歴を分析するとその人の傾向や嗜好が分かります。すると、次にどんな 商品を勧めたらよいかが見えてきます。また、その傾向を見てキャンペーンを 検討したり、「必要な情報を必要な人に・・・」というコンセプトでアクションを起こす 材料となるのです。

顧客管理にはどんなソフトを使えば良いのでしょうか。
 1.顧客管理ソフト
 2.表計算ソフト(Excelなど)
 3.データベースソフト(Accessなど)
 4.年賀状作成ソフト(筆まめなど)

管理する内容・活用方法・使う人のパソコン習得レベルにより異なりますが、それぞれのソフトの利用方法をご紹介しましょう。

顧客管理ソフトは登録する情報にある程度の汎用性はありますが、できることは決まっています。そのソフトの機能の範囲でできることであれば、市販の顧客管理ソフトを使えばよいと思います。ただ、どんなことが出来るソフトなのかを事前に調査することが必要になるでしょう。

Excelなどの表計算ソフトはとても使いやすいので、どんなふうに活用するか分からないが、取りあえずコンピュータ化ておきたいという場合はに適していると思います。住所録としても使え、その他にも必要な情報を入れておけば、データの並べ替え、抽出機能を使ってでデータ分析もできます。Wordの差込み印刷機能を使えばExcelの住所録から宛名印刷もできます。

Accessなどのデータベースソフトを使うと、必要なデータを自由に抽出して必要な形式で印刷することができます。ただ、Excelのように誰でも使うソフトではないので、ある程度パソコンに慣れて、Accessの勉強が必要になります。

最初はExcelを使って管理し、Excelでできない事が出てきたときにAccessに変換して必要な部分だけ利用することも可能です。Accessだけで処理しようとするとAccessを習得するというハードルが高いのですが、Excelと連携して使う程度であれば、少しAccessを勉強しただけでも使えます。興味のある方はぜひチャレンジしてほしいと思います。

年賀状作成ソフトには、宛名印刷するために住所録という機能があります。住所録に入力しておくと宛名印刷できるだけでなく、ちょっとした顧客管理もできるようです。 私は使ったことがありませんが、顧客管理は年賀状ソフトで充分だと言う人がいたので、それなりに使えるのだと思います。

すでに年賀状ソフトを使っている方はそれを使って試行錯誤してみてください。 その機能で足りないと思ったら、住所録データをExcelに変換して活用することができます。コンピュータで入力したデータは変換して他のソフトでも使えることを覚えておいてください。

顧客管理は一番身近で繰り返し使うでデータなので是非コンピュータ化してほしいと思います。


■社内情報管理(グループウェア)

グループウェアという言葉を聞いたことがありますか?

グループウェアとは、社内の情報を共有化し、コミュニケーションを図るためのソフトウェアです。主な機能としては次のようなものがあります。

 ●スケジュール管理
 ●掲示板機能
 ●メール
 ●ファイルの共有
 ●仕事の進捗管理

例えば会議を開く場合を想定してみましょう。参加者のスケジュールが知りたい時、各自のスケジュールを画面上で確認できれば、空いている日時を選んで決めることができます。また、会議室の空き状況を確認したり予約できる機能があればその場で予約もできます。次に参加者に会議の開催を連絡する場合には、メールや掲示板機能を使って伝えることができます。

これらのことは、少人数の事業所であれば、わざわざグループウェアを使わなくても、ホワイトボードを見て誰がどこへ外出中か確認したり、朝のミーティングで会議の打合せをすれば済むことです。特にコンピュータ化しなくても充分コミュニケーションを図ることができるでしょう。

インターネット経由で使用できるグループウェアは、事業所が離れている人や外部スタッフとのコミュニケーションを図る時には便利なツールだと思います。

グループウェアとういと  がよく知られていますが、検索サイトで「グループウェア」とキーワードを入力して検索すると他にも出てきますので、探してみてください。

ただ、グループウェアを導入してもスケジュールを入力しなければ何にもなりません。社員の方々がまめに入力できるかということも導入に際し、重要なポイントになることと思います。


■業種別ソフト

業種により業務が特殊な場合には業種別の専用ソフトを検討されるとよいと思います。どんなソフトがあるか見てみましょう。

  ●運送業向けソフト
  ●建設業向けソフト
  ●製造業向けソフト
  ●美容院向けソフト

ある程度大掛かりなソフトになると価格も高くなりますが、総合的に管理できれば業務はかなり効率化されます。様々なソフトを比較検討してみてください。そして、疑問点はメーカーに問い合わせたりデモを見に行くなど納得いくまで検討されることをお勧めします。

 
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