中小企業の経営者、業務担当者のためのパソコン活用による業務改善マニュアル



パソコンのサポートをしている山本です。
パソコン指導、業務ソフトの導入指導、データベース構築などの経験から得た、中小企業におけるパソコン活用、業務効率アップのヒントをお届けします。





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■Access で顧客管理

以前にアクセスのセミナーを受講していただき、また会社にもアクセスの指導で伺ったことのある会社の社長さんから1年振りぐらいで連絡をいただきました。

その会社は、ファイル用品などの事務用紙製品の開発・製造・販売をしていている会社で、長野県に工場を持っています。社長によるとご自身はコンピュータは得意ではないということですが、製品の製造・管理など主幹業務は既に全面的にコンピュータ化されていました。

私が相談を受けたのは、営業が個人個人で管理しているエクセルの顧客データをアクセスで一元管理したいという内容でした。この会社は、年賀状や暑中見舞いなど対顧客対応がとてもしっかりしています。聞いてみると、各営業が管理している顧客データを総務の女性がワードの差し込み印刷で宛名ラベルを作成しているということでした。

その際、顧客により会社宛で個人に送付する場合、会社の部署宛に送付する場合、自宅宛に送付する場合があり、宛先により敬称を「様」にしたり「御中」にする必要がありました。そのため、宛先ごとに表を分けて管理していたそうです。

それぞれの表に対し宛名ラベル印刷の設定をすることを想像するだけで、総務の女性の苦労がよく分かりました。



そこで総務の女性はアクセスを使って、宛名ラベルの自動発行、顧客データの一元管理をしようと考えました。彼女はアクセス初級を受講していたのでアクセスの概要は理解していました。そこで、足りない部分を講習したあとで、次のようなシステム構築を行いました。

Excel のデータをAccess で一元管理

 1.まず、エクセルの各表をアクセスに変換(インポート)しました。

 2.アクセスに変換した表(テーブル)に、新たに「担当者」「敬称」などの項目を
   追加しました。

 3.2で追加した「担当者」「敬称」の列に担当営業の名前と敬称(様/御中/
   殿)を自動入力しました。(更新クエリを使用)


 4.すべての項目(フィールド)を含む「顧客マスター」テーブルを作成し、個々に
   分かれたテーブルを「顧客マスター」に次々に追加しました。
   (追加クエリを使用)


 これで、エクセルで作っていた個々の顧客データをアクセスで1つのデータに
 まとめることができました。

担当者別の宛名ラベル印刷

 1.1つにまとめた顧客マスターから「担当者」と「敬称」でデータを抽出する
   クエリを作成しました。 (選択クエリを使用)

 2.敬称別に宛名ラベルを作成する帳票レイアウト(レポート)を作成しました。
   (アクセスの宛名ラベルウィザードを使用)

 3.1で作成したクエリと2で作成したレポートをコピーして必要なデータを作成
   しました。

 4.メニュー画面から宛名ラベル印刷を実行できるように、メニュー画面を作り
   ボタンに自動実行の命令(マクロ)を設定しました。

      

この他にも、担当者別に顧客データの修正ができるようにしたり、担当営業が自分の顧客データを加工できるよう、担当者別に顧客データをExcel出力するなど、様々な工夫をしていました。

Accessでシステム構築のメリット

このように、アクセスを使うとエクセルで個々に持っているデータを1つにまとめ一元管理することができます。

また、実際に作業すると大変な処理もマクロを使って作業を自動化し、メニューにボタンとして設定すれば、メニュー画面からボタンを押すだけで処理を実行することができます。このように作業を自動化することで、アクセスを知らない人にも操作してもらえるというメリットがあります。

今回は、既存のエクセルデータを利用してシステム構築したため、入力の部分は無く、アクセスの初級を受講した程度でもシステム構築することができました。

このお客様へは、2週間に1度のペースで、平日に比べ電話の少ない土曜日に合計3回の指導を行いました。会社に訪問した時は、どんな風に構築するか相談しながら一部を作成し、次回までに担当者の方に残りの部分を作成してもらいました。そして、次回は別の部分を構築し、また次の訪問までに残りの部分を作成してもらうというふうに進めていきました。

実際の作業量は大変なものだったと思いますが、担当者の方がアクセスに興味を持ち、熱心に作り込んでくださったお陰で、3回の指導でほぼ完成しました。

Accessのシステム構築に必要な要素

私は、今回のサポートで次の教訓を得ました。

アクセスでのシステム構築は誰でもどの会社でもできるということではなく、次の3つの条件が必要だということを実感しました。

   1.仕事に精通し、コンピュータの得意な(興味をもった)社員がいること。
   2.システム構築にちょうど良い題材があること。
   3.理解ある管理者(経営者)がいること。

システムを構築するには、システム化する仕事に精通していることが重要です。数十年前、SE や プログラマーなどコンピュータの専門家しかシステム構築できなかった頃には、仕事の分からないコンピュータのプロとコンピュータの分からない仕事のプロがよ〜く話をしてシステムを構築していました。

この場合、両者間での意思の疎通が非常に重要になります。お互い理解し合って初めて使いやすいシステムができるのです。本当に満足のいくシステムを構築するのは至難の業だったと思います。

ところがコンピュータ技術が進歩して、コンピュータのプロでなくてもシステム構築できるようになったのです。アクセスはコンピュータのプロでなくてもシステム構築できる優れたソフトだと私は思っています。 したがって仕事に精通した人がアクセスでシステム構築すれば業務にピッタリ合ったシステムが構築できるのです。

しかしながら、システムを構築するにはある程度のサポートが必要です。少しのサポートで使えるようになるのに、そのサポートを受ける人(企業)は少ないのです。パソコンを買うお金は払うけれど、サポートという目に見えないものにお金を払う気持ちになれないのかもしれません。

サポートを受けることでシステムが構築できれば、それまでにかかっていた時間を短縮することができるのです。そうすれば、社員にはもっと別な仕事をしてもらえたり、残業手当を減らすことができます。

例えば、こんな風に考えてください。ある仕事で社員が毎月20時間残業していたとします。システム構築することにより、その先ずっとその残業手当が無くなるとすれば、一体どのくらい人件費の節減になるでしょう。

もう1つのメリットは、社員がアクセスを使えるようになれば、身近な仕事をどんどんシステム化していきます。そうすれば、もっと効率化が図れ、その社員も自信が付き、今までより質の高い仕事をするようになります。そうすれば、組織の活性化にも繋がると思います。

そんなことを考えれば、システム構築に多少の費用がかかってもその金額とは比べ物にならないくらい得るものは大きいと思います。

そんな風に考えることができる、コンピュータ活用に理解ある管理者(経営者)がシステム構築には必要なのです。

今回のサポートは、この3条件が見事に揃った例だと思っています。

条件の1.と2.は比較的揃うのですが、3番目の理解ある管理者(経営者)がまだまだ少ないのだと思います。理解ある管理者(経営者)が一人でも増えることを願っています。


 
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