中小企業の経営者、業務担当者のためのパソコン活用による業務改善マニュアル



パソコンのサポートをしている山本です。
パソコン指導、業務ソフトの導入指導、データベース構築などの経験から得た、中小企業におけるパソコン活用、業務効率アップのヒントをお届けします。





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■パソコンサポート全般

以前私は会計・給与・販売管理などの業務ソフトを開発・販売している会社に勤めていて、それら業務ソフトの企業への導入指導とサポートをしていました。その時のお客様で会計、給与、販売管理システム(特注)を導入していただいている会社がありました。

会計と給与はパッケージソフトなので、サポート体制がありましたが、販売管理はEPOACE というデータベースソフトで特注したものなので、サポートも個別対応になっていました。

そして、パソコンのOSがMS-DOSからWindowsに移行した時期と西暦2000年問題が重なり、販売管理システムをWindowsに移行し、日付を西暦2桁→4桁への変更をすることになりました。当時、EPOACE を使える人がいなかったので、フリーで仕事をしている私に声がかかりました。

販売管理のサポート

この仕事のお話をいただいた時、少し戸惑いました。このシステムはEPOACEのプロである先輩がお客様の業務を熟知した上で作り上げた完璧なシステムです。そのシステムをお客様の業務(製造業)を十分に理解していない私が手を加えて良いものだろうか。EPOACE が分かると言っても、自分の担当していた業務をシステム化した程度の腕前でも大丈夫なのだろうかとも考えました。

ただ、仕事の内容が、今あるシステムをそのままWindows版 に移行するだけで、新たに構築する部分はないこと、このお客様は以前からよく知っていて信頼関係ができていること、他にEPOACE を使える人がいないことなどを考え、私でお役に立てるならと思い、引き受けました。

MS-DOS から Windows への移行

コンピュータ業界では、OS(Operating System)が変わるということはとても大きな出来事です。

OSはパソコンの土台となる「基本ソフト」です。
OSが変われば、ワープロ、表計算などOSの上で動くソフトもバージョンアップしなければなりません。パソコン台数の多い企業は OS が変わったからといってすぐに切り替える訳にはいかないのです。

ここで、OSをMS-DOSから Windows95 に変えるために、どんな作業を行ったかご説明します。

● Windows パソコンの購入
 まず、新規に Windows パソコン(Windowsインストール済み)に切り替えました。
 OS が変わった場合、パソコンはそのままでOSだけバージョンアップすることも
 可能ですが、OSが変わると動作条件も変わるため、従来のパソコンでは仕様
 不足となることが多いものです。企業で使う場合は安全第一ですから、新しい
 OSに対応したパソコンを購入することが望ましいといえます。

● データベースソフト(EPOACE)の移行
 OS を変えれば、当然その上で動くソフトも変えなければなりません。この場合、
 販売管理は EPOACE というデータベースソフトを使って構築されていたので、
 まず、EPOACE をWindows95 版に替えました。
 ACE32 という新しい名前になっていました。

● 販売管理ソフト の移行
 当時、EPOACE というソフトはシステム構築のツールとして、多くの企業に使わ
 れていたので、メーカーも Windows版 Ace32 への移行を全面的にサポートして
 いました。メーカー主催の移行説明会に参加し、移行手順、注意事項を参考に
 変更箇所を洗い出しました。

● データの移行
 データの移行もメーカーのガイドラインに沿って、そのまま使えるもの、データ
 変換が必要なものを洗い出し、作業しました。

このように、OSを変えるということは、ハードからソフトまで買い替えなければならないため、多大な費用と時間が掛かることで、企業としては多少の覚悟が必要です。

パソコンを使う企業側からすれば、OSが旧かろうが、パソコンが旧かろうが、仕事に使えれば、そのまま使い続けたいというのが本音だと思います。
確かにその通りだと思います。

ところが、ハードにしてもソフトにしても、メーカー側はどんどん新しいものを出したら、旧いものはサポートしなくなります。企業にとってサポート体制が無いという事は一番怖いことです。トラブルが発生して業務が止まったり、データが消えた時に助けてもらえないからです。それで、企業は仕方なくハードもソフトも新しくしていくのです。

西暦2000年 対策

「2000年問題」という言葉を覚えていますか?

コンピュータシステムで日付を西暦下2桁で管理していると、1999年から2000年に移る時、「99」の次が「00」になることになります。それではデータを並べ替えた時、データの整合性が取れなくなります。そこで、日付を4桁に変更したり、プログラム上で整合性を取るための修正が必要とされました。これが「2000年問題」です。

このお客様の販売管理システムも西暦2桁で管理していたため、システム中の全ての日付を西暦4桁に変更しました。かなり大きなシステムだったので、システム内容を一つひとつ理解するには莫大な時間がかかるため、機械的にシステムの内容を見ていき、日付に関わる部分を洗い出して修正することにしました。

そのために、まず、自動定義表(プログラム)を一つひとつ見ていき、処理(プログラム)ごとにフローチャートを書きました。その枚数は94枚にもおよびました。フローチャートを書いておくと、あとで何かトラブルがあった時にその原因を見つけやすいので、その後のサポートで大変役に立ちました。

このように2000年対策で実際に行った作業のほとんどは、プログラムを読んでフローチャートを書いたり、修正事項をピックアップして管理資料を作成するなど、プログラム修正以外の作業でした。このWindows版への移行と2000年対策で、合計100時間ほど掛かりましたが、実際にプログラム修正(日付の桁数変更)に費やした時間は、ほんの2割以下だったと思います。

システムの修正ができたら次はテストです。
システム修正後のテストは私が行うべきところですが、業務内容もシステム内容も完全に把握していないため、どんなデータを入力したら、どういう結果になれば良いかが想像できません。情けない話ですが、そのことを理解していただき、旧と新システムの両方をお客様の方で数ヶ月かけてじっくり、納得のいくまでテストをしていただきました。

そのテストに対する姿勢は完璧なもので、まさにシステム導入企業の鑑といえます。数年前の銀行合併の際に起きたコンピュータのトラブルは、銀行側にこの会社のようなシステムに対する姿勢があれば、決して起きなかったと確信しています。 このようにお客様のご協力のお陰で、無事に2000年を迎えることができました。

そして、新しく修正された販売管理ソフトは「TU-YMMT」と命名され、スタート画面にタイトルとして表示されました。「TU」はその会社のイニシャルで、「YMMT」は私の名前「YaMaMoTo」の略です。お客様との信頼関係がついに形になったのです。

大きな基幹的ソフトの導入や修正の時は、その会社の業務内容や流れや伝票等を十分に理解する必要があります。その過程で信頼関係を深め、後はその会社の立場になって、丁寧に慎重に対応すれば良いのだと思います。システム構築の仕事は、お客様との共同作業であることを改めて実感しました。

ソフトの有償サポート

以前、勤めていた会社は早くから有償サポート制度が確立していて、私はその制度を運営していました。このお客様も使用している全てのソフトにおいて加入していただいていました。そして、販売管理システムについては Windows版へ移行してからは、私と直接サポート契約を結んでいくださるようになりました。

企業はパソコンなどの機器(ハード)を購入すると、当然のように保守契約を結びます。使用中のトラブルに対応してもらい、メンテナンスしてもらうためです。

ソフトも同じで、分からないことがあった時やトラブルが起きた時には、必ずサポートが必要になります。そのため、どのメーカーでもサポートセンターを設け、専任のサポート要員を確保しています。今ではサポートの必要性は誰もが認めるところとなり、有償サポートも増えています。

パソコンを使っていれば、慣れるまではサポートは必要なものです。このお客様は、Windows に切り替えてから、Word や Excel を使っていました。慣れるまでは、分からないことも出てくるので、販売管理と併せてサポート契約を結んでくださいました。そして、Windows のソフトに慣れてからは、販売管理のみのサポートに切り替えました。

このように、新しいソフトに慣れるまでは分からないこともたくさん出てきます。そんな時、気兼ねなく質問できる所があれば、安心して使うことができるのではないでしょうか。

このお客様は、ソフトの有償サポートにかかる保険的な費用より、何かトラブルが起きてしまった時の費用の方が結果的には大きくなることを知っていたのです。
他の企業も、そのことに早く気付いてくれることを願っています。

業務の分かるPCサポート

このお客様は、他のハードやソフトのメーカ・販売店とも懇意にされていたので、当然メーカーのサポートセンターも利用していました。それなのに、なぜ私にサポートを依頼されたのか疑問に思い、尋ねたとことがあります。すると「業務が分かるから」と答えてくださいました。

サポートを受ける際、操作に関する質問ならサポートセンターでよいのですが、活用の相談となると少し違ってきます。どういう業務でどのように使いたいかを説明した時に、業務が多少でも分からなと実質的な対応はできません。また、自社の事業内容や業務形態を確実に理解していた方が、質問しやすくなります。

そう言えば、私が初めてパソコン講習会でインストラクターを務めた時のことを思い出しました。業務経験の全くない私は、ソフトの使い方(操作)を説明するのですが、どんな場面でどう使うかの具体的な例を挙げることができませんでした。なぜこの機能が必要で、どんな使い方ができるかを説明できず、ただの操作説明で良いのだろうかと随分悩んだことがありました。

その後、業務ソフトの開発・販売会社に勤めていた7年半の間に、業務ソフトのサポートを通じ、財務会計、給与計算、販売・仕入管理など企業の業務を学ぶことができました。

そして、実際に業務ソフトを導入し、便利になった多くの企業を見ることにより、パソコンの便利さを実感しました。そこでの多くの体験が今の私の財産となりました。

パソコンのホームドクター

その会社の社長さんとの会話の中でとても印象に残っている言葉があります。それは、私のことを「パソコンのホームドクター」と表現した言葉です。「パソコンのホームドクター」を目指せというような意味だったと思います。

ホームドクターと言えば、「かかりつけのお医者さん」のことです。患者さんの病歴や日頃の健康状態を把握し、病気になった時には、それらのことを踏まえて診断してくれる。自分の専門外であれば、別の医者を紹介し、検査が必要なら総合病院を紹介してくれる。そんな頼りになる身近な存在です。

私は、とてもよい言葉だと思いました。
その企業の業務内容や社員構成、担当者のレベルなど、あらゆる状況を把握した上で、お客様の要望に適切に対応できる、そんな身近な頼りになる存在になりたいと思っています。

その言葉通り、私は「パソコンのホームドクター」を目指しています。
一社でも多くの企業にパソコンの便利さを実感してもらい、その企業の立場になって親身に対応できる良きパートナーとなれるよう努力していきたいと思っています。


 
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